ヘクソカズラの遺産
💓自身の創作の底流「愛って何、家族って何」に直接斬りこんだ馬場退会時の「記念作品」💛
『ヘクソカズラの遺産』2018年 PDF ➡hekusokazuranoisan

工事中💛 タイトルに重要な意味を伝える和歌は、『さいけふに はいおほとれるくそかずら たゆることなく みやづかいせむ』(たかみやのおおきみ)で、その意は、"サイカチという木に絡み纏いついているヘクソカズラのように絶えることなくお仕えしましょう"、 死んいるのに小説の主人公になっている塩野が人を信じない妻文子に伝えたかった大事なことをほのめかしている。同人誌『岩漿』がらみで振り返ると、創刊から続けていた会の代表を退いたのが19号のとき、その後編集引継ぎの名目で編集の代表者のようになっていたが24号で卒業し単なるOBなる。25号は作品も出さずにいたが、26号で編集長から原稿の集まりが今一つなのでと依頼されて出したのが今回取り上げた中編小説。実は私自身も一気に読み直して気づいたのだが、この小説は同人誌作家馬場が20年以上に亘って守ってきた「愛とは何、家族って何」という創作の動機、底流を真正面から扱っているということ。気づかずに置いた"退会の碑"をぜひ読んでもらいたいと思う。全編、ラブサスペンス仕立てだが、愛と信頼に囲まれながらそれを最後まで理解できない哀しい女が独り佇む格好になった。
💗ツンドク積読corner*そこに愛はありますか💔
(^^♪?『愛って何、家族って何』それは私の長短編全ての小説に底流としてある(^^♪*
(12)『小説・現姥捨て』2016年/増補2023年 近未来の妄想小説。雑誌記者が超高齢者社会の世相を福祉課勤務の先輩に訊き、追い詰められた老夫婦に密着して書いた記事は上司の命に背いていた➡imaubasute2
(11)『色あせたデコイ』1997年/改編2023年 出所した女が温泉場の女将に拾われ更生に勤めるが周囲の偏見は止まず加えて女将の異常な嫉妬もあり、それが因で宿主が女将を銃殺する事件が起こる➡decoy2
(10)『超克』(ちょうこく)2000年 脳梗塞患者がみた診療病棟とリハビリ病棟。そこには自身と戦う患者と医療スタッフの心の交流があった。登場人物の無様からの超克は新たな視点での再出発から➡tyoukoku
(9)『薪樵る』(たきぎこる)2000~23年 男は病死した不倫相手の影を追い不仲の妻を殺して女との出会いの場鎌倉へ。全ては妄想なのか霊なのか女との逢瀬。男は終に惚けて迫り来る電車の前に➡takigikolu2
(8)『身一つ庵』(みひとつあん)1998年 家庭と職場のことで心病んだ男は、泊った民宿で献身的に働く障碍者女将と過去のある宿主の夫婦に当たり散らし、泥酔した翌朝に心癒されて我が身を省みる➡mihitotuan
(7)『孤往記』amazonで販売 (こおうき)1999年 伝記の形をとった小説。孤独で貧しい青年が激動の昭和の大都会を喘ぎながら活きてゆく姿は著者の過去と多分に繋がっている。第1章のみの掲載➡koouki
(6)『朴の葉の落ちるころ』(ほおのはのおちるころ)2013年 いまは亡き兄の依頼でしたためたモデル小説で彼は自分のブログで公開した。緑内障で全盲を覚悟した彼が手術を漸く決める姿➡hoonohanootirukoro
(5)『狗にあらず』(いぬにあらず)2003年 事件を任せられる警官は彼だけだ。元妻が狙撃された男はその謎を解くため単身行動を起こすが、事件はただの殺人ではなく国政すら絡む巨大組織の陰謀➡inuniarazup
(4)『空に映る海の色』(そらにうつるうみのいろ)2009年 東京の会社社長の息子が滞在先の多賀で高熱の少年を助けた縁で母親と恋仲になるが、彼女の一族の奇怪な男女関係が突然彼の身に及ぶ➡soraniuturuumi
(3)『戯れる木霊』(たわむれるこだま)2007年 暴漢に襲われていたのを救おうとドデカイ犯人に挑んで死んだ彼氏。自分の操は彼の命ほどの価値はない。その想いが彼女を狂わせる➡tawamurerukodama
(2)『傾いた鼎』(かたむいたかなえ)2015年 同じ時期を青年3人が性を含む複雑に絡んだ感情の渦をそれぞれの視点で捉える試み。誰も傷つけない青春、そんなものが果たしてあるのか➡ katamuitakanae
(1)『入相の鐘』(いりあいのかね)1995年 落ち目の画家と元妻の人気作家の仲にいつの間にか挟まった天真爛漫で美形の若いモデル。それにモデルの彼氏が絡んだ激しくも哀しい愛の三つ巴を描く➡iriainokane